台湾人は名前が2つある!という衝撃の事実をお伝えした「台湾人にはなまえがふたつ?」の後編です。
Contents
台湾人が持つ2つの名前の秘密
おさらい。台湾人に名前がふたつ、とは?
台湾人は高確率で自分の本名=漢字の名前以外にもう一つ名前を持っている事が多いです。
それがイングリッシュネーム。
日本人とほぼ変わらないアジアな風貌の台湾人ですが、初めてあった時の自己紹介で「マイケル」「トーマス」「ピーター」なんて名乗られるのです。
ちなみに、イングリッシュネームと言っていますが、スペイン系の名前だったり、「あゆみ」「アスカ」なんて日本系の名前を持っているケースも有ります。
おそらく名前をいくつか持っているという人もいるでしょう。
台湾人はどうして?どうやって?イングリッシュネームをつけるのか。
タイトルの台湾の友人や知人に何度か質問したことがあります。
気になる答えは以下のようなものでした。
①学校で英語の時間が始まるときに先生がつけてくれた名前をそのまま使っている。
これに類似する答えが結構多かったです。
台湾の人は英語の授業が始まるタイミングで先生や親からイングリッシュネームをもらうことが多いそうです。
なぜ英語の授業で英語の名前を使う必要があるのか、という疑問は解決しませんでしたが、おそらく
外国人の先生が呼びやすいように。英語の名前があることで英語をより身近に感じる=英語力UPに繋がる。
などの理由が考えられると思います。
それにしても中学校の英語の授業で英語名をもらったり、つけたりしてそれをそのまま使っている…
先生の感性がその後の生徒のイメージまで影響を与えるわけですね~。
先生責任重大だ!真面目に考えてつけてくれているか、ちょっと不安になるのは私だけでしょうか。
あ、もちろん通称としての利用なので、イングリッシュネームを変えるのに公的な手続きは不要ですよ。
もちろん好きな名前を選んで使えるそうです。
だからこそ前回紹介したように、「ゴッド」「ゼウス」「アポロ」など(いずれも神様)の名前をつけたりする人がいるんでしょうね。
②外国人にとって中国語の名前は難しいから外国の人にもわかりやすいように英語名をつける。
これは、一番納得した答えです。中国語は発音が難しいのに加えて声調という音のトーンがあります。
中国語を習っていない外国人が発音と声調を正確に発音するのはほぼ無理なこと。
例えば正確には「アキコ」なのに「マキコ」なんて呼ばれている感覚を想像してみてください。
訂正してもなかなか覚えてもらえない…だったらいっそのこと「エミリー」でいいわ、と思うかもしれません。
さらに実は中国語を習っていても、人名漢字はまたちょっと独特なため、台湾人の名前を聞いただけで漢字まで連想できる外国人はかなり稀。
アキコにも「明子」「亜希子」「晶子」などいろいろあるのとおんなじですね。
③洗礼などのときに名前を付ける
このほか、キリスト教の洗礼など、宗教に関連してイングリッシュネームをいただくこともあるそうです。
他にも直接あったことはありませんが「生まれる前に親が決めていてくれた」なんて人もいるそうです。
上の名前で呼べばいいんじゃない?
では、苗字でワンさんとかチンさんとかリンさんでいいのでは?とお思いのあなた。
苗字のバリエーションが日本に比べると少ないのが中華圏。
台湾では王さん、陳さん、林さん、張さん、李さん、黄さんあたりの苗字が多いようです。
鈴木さん・佐藤さんの比でなく同じ名字率が高い台湾。
なんと全人口の約10%が陳さんです!
以前イベントでアルバイトをお願いしたらふたりとも「林(リン)」さん。さらにウチのスタッフもリンさんでした。
まさかのトリプル「リン」さん!!こんなことがザラに起こってしまいます。
つまり、コミュニケーションの最初の最初でつまづいてしまうことになりかねないのです。
そんな状況を避けるためにイングリッシュネームを持つ。グローバル志向が強い台湾っぽい解答です。
結構公的?なイングリッシュネーム
さて、先にイングリッシュネームが通称で、自由に変更ができると述べました。
ですが、この別名。台湾の社会の中ではかなり公的な場でも使用されることが多いように感じます。
友達同士で呼び合うだけでなく、仕事上で使われることも普通。
電話で「ルルさんにお繋ぎいただけますか」は普通。
重要な会議でイングリッシュネームで呼び合うのも普通。
仕事中のネームプレートがイングリッシュネームになっていることも普通。
盧廣仲(ルー・グァンジョン)さんという台湾人が日本でCDを出すときにCrowd Lu(クラウド・ルー)とイングリッシュネームでデビューするのも普通。
(ジャッキー・チェンさんも中国語名は成龍ですもんね。)
さらに、実はパスポートにも英語の通称欄があって、そこに普段使っている英語名を記載することが可能なんだそうです!
ということからも、台湾の人にとってイングリッシュネームは、すでに市民権を得ている一般的な習慣といえるようです。
ちょっとびっくりして違和感を感じたイングリッシュネームですが、今ではすっかり慣れっこ。
気がつけば、友人の名前…イングリッシュネームしか呼ぶ機会がなくて逆に本名があやふやだったり…ごめんなさい(笑)
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