おとといから、鳥取に来ております。
夜、宿で娘の(たべこぼした)服を洗って干しながら、ふと「台湾だったらこの時期、夜に洗濯物干すのってダメだったなー。」と思い出し、懐かしくなりました。
今日8月18日は、台湾では旧暦では7月5日。すでに「鬼月」に入っています。
鬼の月???思われた方もいらっしゃるのでは?
今日は、台湾の「鬼月」について、少しお話したいと思います!
Contents
台湾の鬼月とは
台湾では、旧暦の7月1日はあの世の扉が開かれる日、7月30日は開いた扉が閉じられる日だとされています。
1日にあの世の扉が開かれると、普段はその向こう側にいる死者の魂が、この世に帰ってくるそうです。
この1ヶ月間を台湾や香港、その他中国の一部では「鬼月」(ぐぅいゆえ)と呼んでいるのです。
先日、台湾のオモシロ中国語紹介で酒鬼について紹介しましたが、このときの「鬼」とは違って、ここでの「鬼」は日本の幽霊を意味しています。
幽霊=鬼たちがやってくる月ということで、鬼月と呼ばれているのです。
鬼月に帰ってくる魂の中には、供養をしてくれる人のいない、孤独な魂や悪霊も含まれています。
そしてこの孤独な魂や悪霊たちは、生きている人間に悪さをすると言われており、恐れられています。
台湾では、鬼たちに取り憑かれないように、この時期してはいけない禁忌がたくさんあるのです。
鬼と言ってはいけません。
その中で一番徹底されているのは恐らくこれ!
鬼たちを鬼と呼んではいけません。
この呼び方で魂たちを呼んでいると、鬼たちが集まってきてしまうと言われています。
それを避けるために台湾の人々は彼らのことを「好兄弟」(はおしょんでぃ)と呼ぶのです。
好兄弟を訳すと、英語で親しみを込めて「ブラザー」と呼ぶような、そんなニュアンスだと思います。
台湾・鬼月の禁忌
鬼月期間中の禁忌は他にもたくさん!その中でも代表的なものをまとめてみました!
⑴夜、洗濯物を干してはいけない。
濡れた洗濯物には「好兄弟」が寄って来やすいとされています。
⑵夜、口笛を吹いてはいけない。
夜口笛を吹くと鬼に好かれてしまう、魅入られてしまうそうです。
⑶川などに水遊びに行ってはいけない。
水の中にいる「水鬼」が、自身が生まれ変わろうとして、遊んでいる人を自分の代わりとするため、水の中に引き込むと言われている。
⑷風鈴を枕元にかけてはならない。
風鈴の音は、この世のものではないものを招き寄せやすい。
⑸あの世のお金「冥紙」をやたらと踏んだり焼いたりしてはいけない。
お金を踏んだりしてはいけません!誰でも怒ります。
⑹彼らへのお供え物を盗み食いしてはならない。
好兄弟とお供え物の取り合いすることになります。怒りを買うに決まっています。
悪いことが起こりやすくなります。
⑺遠出をしたり、夜外出する。
好兄弟に出会いやすくなるそうです。
⑻夜、外出中に名前を呼ばれても簡単に振り返ってはいけない。
好兄弟に連れて行かれることがある。
⑼家を買ってはならない。リフォームも禁止。
一緒にお家に入ってきちゃうそうです。
(10)車を買ってはならない。
交通事故に遭いやすくなる。
(11)結婚してはいけない。
好兄弟に羨ましがられてしまう。
他にもたくさんあるのですが、多すぎる(笑)ので、今日はこの辺りまでにしておきます。
台湾のお盆はお供え物がどっさり
台湾では、日本で言うところのお盆、つまり旧暦の7月15日は中元節と呼ばれています。
この日は、あの世から帰ってきた魂や神様に、どっさりとお供え物をして、この世に満足して帰っていただけるようお祈りします。
さらに商売繁盛や家内安全なども合わせてお祈りをします。
これは一般家庭でも会社でも行われることで、私も経験済み。
家ではマンションの管理が、お祈り台の設置とお祈りを可能な時間を知らせてくれましたし、会社だとビルの管理会社が同じように準備をしてくれていました。
そうして当日は、各自好きなものを大量購入して持ち寄り(会社によっては経費で購入)お祈りに使います。
まずは設置された台にお供え物をセッテイング。
線香を持って天にお祈りをし、そのあと線香をお供え物に突き刺していきます。これらがお供え物であることをわかりやすくするためです。
その後、あの世のお金を路上で大量に燃やし、さらにお祈りするのです。
その様子はまるで火事のよう!
バス停で火を焚き、横を平然と通って行くバスを初めて見たときは、流石に言葉を失いました。笑
(ちなみにお供えはお祈り終了後、持って帰って美味しくいただきますよ)
この時期はいたるところで大量のお供え物に大量の線香、大量のあの世のお金を見かけることができます。
圧倒されること間違いなし、日本ではきっと見かけることのできない光景ですよ。
最近の禁忌のとらえかた
台湾の鬼月の紹介、いかがでしたでしょうか?
たくさんの禁忌に驚かれた方も多いのではないでしょうか?
実はこの時期、逆に家や車を買ったりするにはよい時期ととらえる人もいます。
それは、この時期購入者が減るため家や車の値段が下がりやすくなっているから。
前述した禁忌を気にしない人も増えていて、そういう人たちにとってはこの時期はチャンスなのだそうですよ。
同じく、昔は旅行や水辺のレジャーも避けられていましたが、今では気にしない人も増えているそうです。
この時期、台湾にお出かけの方は、ぜひ鬼月の習慣をちょっと気にしながら旅をしてみてくださいね!
特に中元節の前後のお供え物&お祈りの光景は必見の価値あり。台湾の文化を肌で体感できますよ。