明日は中秋の名月ですね。
ご存じの方も多いと思いますが、台湾ではこの時期あるモノを食べるのが一般的です。
さて、その食べ物とは?タイトルに出ているからバレバレですね。笑
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中秋の名月=祝日の台湾
以前も触れましたが、台湾の祝日は旧暦と連動している事が多く、毎年旧暦8月15日は「中秋節」で祝日。
Wikipediaによると中華圏の4大節句の一つとされているそうです。(残りの3つは旧正月(春節)、端午節、冬至(冬節))
その年の収穫や神様に感謝し、家族が集って過ごします。
また日本のお中元やお歳暮のようにお世話になった人や会社が月餅や文旦(柑橘系の巨大な果物)を送り合うことでも知られています。
製菓会社やホテルなど毎年工夫をこらした月餅を販売し、少しでもお客様を獲得しようと必死。
中華圏では中秋節は大きな商機と位置づけられています。
また台湾の企業では中秋節にはお勤め先の会社で月餅や文旦、商品券、または金一封がプレゼントされることが一般的です。
(私は日系の勤め先だったのでもらったことはありません。羨ましいです。)
ということでこの時期は、自然と月餅や文旦がどこからともなく集めってきます。そして気が付くと月餅と文旦だらけに。
文旦はともかく美味しい上にカロリーが高い月餅はちょっとした恐怖の対象だったりします。笑
台湾人にとって中秋節といえば!烤肉
台湾式でおおらかなBBQ
烤肉(かお・ろう)とは、焼き肉、BBQのこと。
日本では月見といえばお団子とススキですが、台湾の人々にとっては月餅より文旦より楽しみなのがこの烤肉(かお・ろう)なのです。
中秋節はもちろんのこと、中秋節前後のお休みになると親しい友人や家族が集ってあちこちでBBQをしている姿が見かけられます。
町内会のようなコミュニティでもBBQ大会が企画されあちらこちらで開催されるそうですよ。
お月見をしながらBBQなんて楽しそうでなかなかいい習慣!と思いますがちょっとびっくりするのはその場所。
お家の屋上や河原などでのBBQは日本でも見かける光景ですが、近所にある滑り台とブランコだけの小さな公園でも数組の家族がお月見中。
そして当然のようにBBQ中。
こんなに小さな公園でBBQなんてしていいの?と思っていましたが、なんでも中秋節の前後は政府がBBQしてもいい公園を指定してくれるそうです。
・・・許可がない公園でもおこなわれている気がしますが・・・。
そしてそれ以上に驚くのが、各御家庭の前の歩道や道路にはみ出してBBQが行わえていること。
すぐそばを歩行者が歩いていますし、バイクや車もブンブン行き交っています。
さらに街中いたるところで同じような光景が見られ、そこいら中煙がモクモクしています。
うーんさすが台湾。おおらかです。火事だけは気をつけていただきたいですね。
出身が沖縄の私にとってのBBQ=海辺でするもの、日本では山やキャンプ場でするものというイメージ。
街なかでのBBQは想像を遥かに超えていて、初めて見たときはちょっとカルチャーショックを受けました。
家が近いと片付けが楽なので合理的といえば合理的なのでしょうか。
気になるBBQの内容
台湾のBBQ、どんな具材を焼くのか気になりませんか?人によって多少の差があるものの下記のものを準備する事が多いようです。写真があればよかったのですが・・・。
・お肉ー鶏・豚・牛・羊など。タレなどにつけて下味をつけておくのが一般的なようです。
特筆すべきは台湾式ウインナー「香腸(しゃん・ちゃん)」の存在。ほとんど100%登場します!独特の甘みがあり苦手な外国人多し。でも不思議とはまります
・魚介ーエビ・あさり・イカなど。BBQですがサンマも高確率で登場します。まるごと焼いて食べます。
・きのこ類ーえのき、エリンギ、しいたけなど
・野菜類ーお好みで。玉ねぎやピーマン、キャベツ、とうもろこしなど。
珍しいのは「マコモダケ」。スーパーなどでも数本セットになって売られていて、そのまま焼き表面の皮を剥がしてタレを付けて食べます。
またヘチマもあさりも一緒にアルミ鍋などで煮て食べることが多いです。
(マコモダケ・注意:台湾のマコモは真っ直ぐです)
・練り物・乾き物系ーさつま揚げ、ボール状のイカや魚の練り物、カニカマ、豆腐を乾かした「豆乾」など。
日本人の感覚だとBBQに練り物???かもしれませんが、台湾のBBQは練り物も大人気なんですよ!
・薄切り食パン
なんで?とおもっていたのですが、焼いたお肉を挟んで食べる事が多いようです。ちなみに食パンは焼かないそうです、不思議。
メジャーなのはおそらくこんなところ。日本のBBQとはちょっとちがったBBQメニュー。チャンスがあったら試してみてはいかがでしょうか。
個人的にマコモダケは甘くてホクホクでかなりヒット!日本でBBQする機会があったらぜひ取り入れたいと思っています。
中秋節BBQはつくられた習慣だった!?
ちなみに、台湾で中秋節を過ごしたことがある外国人なら一度は抱くであろう「なぜ中秋節にBBQ?」。
これまでこの疑問に納得できる答えてくれた台湾人はいませんでした。
今回台湾のYAHOOで調べてみたところ、1967年ごろの焼肉のタレの広告をきっかけに流行りだしたという説が一般的のようでした。
しかし、もう少し調べていくとBBQが流行りだした時期とタレの販売(実は1986年発売とのこと)の時期が合わないとの指摘あり。
どうやら1982年の新聞に「新竹区では今年の中秋節、あちらこちらでBBQをする光景が見られた。これはバーベキュー用のコンロの輸出が振るわず、業者が国内販売に力を注がざる得なくなった結果だ」という内容の記事があるようです。
こちらのほうがタレの販売時期と合わせて考えても説得力がある気がします。
思わぬところから一大行事になったわけです。
どちらにしても仕掛けた企業があるというのに変わりないようです。
バレンタインデーのように「習慣」は「商魂」によって作られるんですね。笑