昨日の台湾の結婚式はおもしろい(1)~披露宴が2回!?な台湾~に引き続き、本日も台湾の結婚式にまつわる思い出話をお送りします。
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結婚式=赤い爆弾!?
台湾では、結婚式への招待状を、「紅色炸彈」(ホン・スー・ジャー・ダン)つまり「赤い爆弾」と呼ぶことがあると、職場の同僚に教えてもらったことがあります。
紅色=赤色については、中華圏でおめでたい色とされている「赤」を招待状に使うことが多いから。
ではなぜ「爆弾」なのでしょう!?
台湾では結婚式の招待状「喜帖」(シー・ティエ)が届くと、日本と同じように出欠にかかわらずご祝儀を包むのが普通です。
「おめでたいことだしね。」と笑っていられるうちはいいのですが、実は台湾では結婚式が旧暦の年末に向けてドドっと増えていきます。
台北市政府観光伝播局のウェブサイトによると、台湾には「お金があろうがなかろうが、結婚すれば良い年が越せる」という言葉があるそうです。
転じて、年末に結婚すると幸せになれると考えられていて、年末に向けて結婚するカップルが増えていくのです。
結果として、台湾では年末に近づくとたくさんの招待状が届き、そしてご祝儀が出ていき、財布の中身が厳しくなる。
そのため赤い爆弾と呼ばれているのだそうです。聞いて納得な表現です。笑
ご祝儀の額で親しさをはかれる台湾!!
ご祝儀袋も真っ赤!が台湾式
中華圏では赤はおめでたい色とされると書きましたが、台湾ではご祝儀袋も真っ赤です。その名も「紅包袋」(ホン・バオ・ダイ)。
どんなお祝い事にも使えて、1袋に10枚くらい入っていて20元(約80円)以下で購入できるコスパに優れた一品。
(我が家にもまだありました~♪)
こちらを購入して、表に新郎新婦を祝福する言葉を書きます。こちらは言葉が決まっていて、その中から好きな言葉を選んで書くのが一般的。
「百年好合」百年ずっと仲良しでいてください
「永浴愛河」ふたりで愛の川をずっと泳いでね
「白頭偕老」共に白髪の生えるまでなかよくね
「永結同心」永遠に同じ心のふたりでいてね
上記はほんの一例で、まだまだいろんな言い回しがあります。
余談ですが、おそらく日本人は「百年好合」を書く人が多いはず。
それは、中国語を習い立てでも知っている漢字で書けるから。笑
私は「百年好合」「永浴愛河」あたりばっかり書いてました。
名前は裏側に書くという人もいれば表だという人もいます。
気になるご祝儀の額は? 結論 信頼できる人に聞きましょう。
実はクセモノなのがこのご祝儀の額。台湾の方々の中では一定の基準があるようなのですが、日本人にはちょっと難しいのです。
ひとまずわかっているのは下記のこと。
ご祝儀は必ず偶数! (台湾では偶数は「ペア」を表します。そのため日本とは反対に、偶数が縁起の良い数字とされています)
3,4,9の数字は厳禁。 例えば2400元はNGな金額。それぞれ3(散)、4(死)、9(苦)を連想させるため使ってはいけないと言われています。
ご祝儀の額は場所・関係性・人数で決定することになります。
会場がどこか(ホテルか、レストランか、また台北か地方か)、新郎新婦とどれくらい親しいか、公的な関係性は?(親類、友人、上司/部下なのか)
さらには出席者が何名かなどかんがみて決定。(台湾では結婚式に家族や彼氏・彼女はたまたお友達を誘って一緒に行くことも普通なのです)
そして最後に「ご祝儀の額は関係性で最終決定する」。
これが日本人にはどうにもわかりにくいのです!!
これを自分で判断できる日本人はかなりの台湾上級者です。
具体的な数字が多すぎて
ご祝儀は2,000元、2,200元、2,600元、3,200元、3,300元、3,600元、6000元、6600元~と細かく分かれています。
しかも人によっては2,000元の次は3,200元だとか3,300元はNGだとか、おっしゃることが異なります…。
あれ?3ってダメなんじゃないの?3,000元台ならOKな理由はなに?4,000元台はなんでダメなの?とますます混乱。
ちなみに欠席の場合はご祝儀もちょっと安くていいらしく600元、1200元~と増えていくそうです。
「普通の友人だし、普通のレストランだから2,000元~2,200元くらい包めばいいけれど、夫婦で出席するなら◯◯元プラスだな」、などと台湾のみなさんは自分基準をお持ちです。
・・・聞けば聞くほど混乱します・・・。
私は最終的に「出席する場所出身の人、そして自分と同じ世代か少し年上の人に相場を聞く」が正解だと考えるようになりました。
それは台北と地方都市ではご祝儀の相場に少し差があるから。そして自分と同世代か少し年上に聞くほうが世代で感じる若干の金額の差を心配しなくていいから。
(ここ10年位でも物価がかなり上昇しているものの、年配の方はちょっと前の感覚で金額をおっしゃたり、逆に若い人は相場自体をよく知らない事があるため。)
しかながら、この細かい価格設定であるがため、結婚する人との関係性を自分がどう考えているかが、相手にダイレクトに伝わってしまいます。
さすが中華圏!お金に関しては本当にシビアです。笑
結婚は後からするほうがお得!?
ご祝儀のシビアさに驚いた出来事がもう一つ。
とあるカップルの結婚式に出席することになったときのこと。
例に漏れず台湾の友人にご祝儀相場を聞く私。
夫も私もカップルと仲良くしている。会場は◯◯で。などと情報を伝えて指示を仰ぎます。
すると「その関係性で、その会場なら、ご祝儀はふたりで3,600元もしくは6,000元ね」とのご意見。
その差2,400元(当時日本円で8,000円くらい)。その前後は200~800元くらいの差なのにどうしてそこだけ間がないのか!?謎は深まるばかり。
相談した友人は「台湾ではご祝儀を貰ったら、その後ご祝儀を頂いた人の結婚式に出るときは貰った額以上を包むのが普通だから、
これから結婚披露宴をすることがあるなら6,000元で、披露宴をしないなら3,600元でいいんじゃない」との提案をしてくれました。
スゴイ!!
さすがにそのシビアさに一瞬言葉を失いました!!
そうなんです。ご祝儀は貰った額より多く包むのが台湾流。返す相手の負担になるから包みすぎるのも良くないなんて話もあり、この時ばかりはとっても悩みました。
結論としては、台湾ではきっと披露宴はしないから相手の負担にはならないだろう、ということで6,000元に落ち着いたのですが、ご祝儀の判断基準は結局最後までわからずじまいでした。
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今日で終わる予定だった台湾の結婚式。まだ続くようです。
ちなみにご祝儀袋に書く言葉集を発見したので自身の備忘録としてリンクを張ります。
興味のある方はこちらをご覧ください→☆☆結婚題辭
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