7年の台湾生活を振り返って、今でも印象深いのは台湾の結婚式。
日本の結婚式とはだいぶ違いがあります。日本の中では独特といわれている沖縄の結婚式とも、ちょっと似ているところがあり「沖縄って中華圏の文化の影響が大きいんだなー」と再認識させられたりします。
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披露宴は2回!!がスタンダードな台湾
台湾生活で何度か結婚式に出席しましたが、生活後半戦にはいるまで、実は「台湾の披露宴は2回ある」ということを知りませんでした。
その内訳は以下のとおりです。
1回目は新婦側の友人・知人を招いておこなわれる「訂婚」(でぃん・ふん/婚約式)。
2回目は新郎側の友人・知人を招いておこなわれる「婚禮」(ふん・りぃ/結婚式)。
最近の若者は2回ある披露宴を1階にまとめることも増えているそうなのですが、スタンダードは2回なのだそう。
1回でも大変な披露宴を2回も!と、聞いただけで卒倒しそうですが、出席するお客はとっても気楽なのが台湾の披露宴なのです。
ゲストはお気楽な結婚式
ジーパンにTシャツでもOK!着ていく服の心配ご無用!
日本で披露宴にお呼ばれしたら、きっとなにを着て行こうか悩み、場合によってはドレスや礼服を購入し、女性なら当日は前もってヘアサロンなどでヘアメイクなどをしてもらうのが普通だとおもいます。
でも、台湾ではそんな心配全くなし。
日本の感覚でドレスを着て出席したら、逆に会場でちょっと浮いてしまうこと間違いなし!
男性も、スーツを着てくる人もあまりいません。
あまりにもパリっとしたスーツを着て行くと、新郎に間違われてしまうかもしれませんよ。笑
台湾の披露宴で思いっきりドレスアップするのは新郎・新婦とその親族、そして結婚式のお世話をする友人たちのみ。
招待客は普段着か、もしくは少しきれいな格好をすればいいのです。
私も普通のワンピースで出席。台湾の女性ゲストもみんなちょっとキレイ目くらいな服装でした。
男性に至っては、デニムのジーンズで参加している人もいて、日本と台湾の文化の違いを肌で感じました。
ちなみに日本だと新婦はドレスもしくは和装、新郎はタキシードやモーニングを着るのが一般的だと思いますが、台湾の新郎はネクタイなどをちょっと華やかにしたスーツを着るのが一般的なんですよ。
女性はお色直しもしますが、男性は最後までそのままなことも多いようです。
やっぱり台湾の結婚式も、こういうところは花嫁さん主体なんですかね。
ご祝儀は開封されます! 披露宴には予備席
さて、台湾の披露宴の流れを出席者目線でご紹介します。
まずは受付ですね。こちらは日本とあまり変わりません。
日本とちょっと違っているのは入り口にウェルカムボードではなく、新郎新婦の大きな大きな結婚写真がドーンと並んでいること。
(イメージ図。私のプライバシー保護のため画像を一部加工しております。笑)
そして、その場でご祝儀を開封されて「○○さん…☆☆元」と記録されてしまうことがあること。笑
トラブルがなくなる合理的な仕組みだと思いますが、日本人には驚きのシステムです。
初めてご祝儀をわたして開封されたときは、起こっていることが理解できずに、受付の人を凝視してしまいましたよ・・・。
受付が終わると席に案内されます。「あなたはここの席です」と席まで連れて来られたら、あとは自由に座ります。
会社関係、○○関係の友人などと席ごとに分けられているものの、日本のみなさんが頭を悩ませるという細かい席指定はありません。
会場で席まで案内されている際に、驚いたのが「予備席」の存在。
そういえば大学の指導教官A先生が「台湾ではあんまり関係ない人も飛び込みで披露宴に参加することがある」なんて話していたことを思い出しました。
(沖縄も昔そういう風習があった様子)
そんなバカな、と思っていましたが、予備席があるということは先生のおっしゃっていたことは正しかったということですね。
遅れて始まるのが普通
席には飲み物が出ていて、着席したら自分たちでついで飲み始めて大丈夫です。
料理もいくつか出ていた気がします。
というのも、台湾の結婚式は定刻から遅れることが普通なのです。
(お客さんがある程度集まったら始めるのが一般的なようで、披露宴が始まってから遅れて着席するかたもいるくらいです。)
これは前もって聞かされていましたが、本当にどの披露宴も遅れて始まりました。
台湾在住中に何度も披露宴にお呼ばれしたものの、実は披露宴の中身はあんまり覚えていません。
というのも、日本の披露宴と違って台湾の披露宴はセレモニーの要素が薄いのです。
(台湾では披露宴の前後にさまざまな手順をふんで行きます。聞いてるだけで大変さが伝わってくるほどいろんなことをします。(笑)
その一環として披露宴があるため、披露宴自体がセレモニーな日本とは違うのでしょう。)
司会がいてアナウンスをしていますが、正直聞いている人はあんまりいません。
ワイワイガヤガヤが続き、主役が登場してようやく会場に「披露宴」な空気になりました。
家族と一緒で食事もできる
日本では、新郎新婦はひな壇に座り、招待客の卓がならび、親族は末席が一般的な披露宴スタイルだと思います。
しかし、台湾では新郎新婦は親族と一緒の席につくことがほとんど。
ひな壇があったら家族もひな壇に。
初めに来賓への挨拶をすませ、新郎新婦が着席すると、ご歓談タイムのスタート。
つぎつぎと出てくる豪華な料理をみんなでいただいていきます。
なお、日本では一人ひとりに料理が配膳されることが一般的ですが、台湾は大皿でドーンとでてまいります。
中華料理屋さんのように回転卓を回して各自料理を取っていきます。(沖縄も大皿が一般的です)
また、日本のようにゲストをあきさせないために~~しなくちゃ!という気負いもありません。
余興があることもありますが生徒さんたちから先生への歌のプレゼントだったり、新郎新婦の生い立ちや出会いの紹介ビデオだったりと比較的シンプル。
新郎新婦からの挨拶や花束贈呈などの時間もありますが、みんなあんまり聞いていないかも・・・。
このようなスタイルなので、台湾の新郎・新婦さんは、日本よりもゆっくりとお料理をいただくことができるそうです。
新郎新婦が各卓を回ってきて乾杯する時間はあるのでそこは日本ともおなじですね。
私はみんなで気楽にお祝いするこのスタイル、嫌いじゃありません。
デザートが出てきたら終了の合図
台湾の披露宴には終わりの挨拶がありません。「終わる」ことを不吉なことと捉えるからでしょうか。
そのため、最後のデザートが出てきたら披露宴はお開きとなり、みな暗黙の了解で会場を後にします。
出口では、新郎新婦がプチギフトを持ってお客様をお見送り。
ここで各自記念写真をとって帰って行くのが一般的です。
2次会はないのが普通ですよ。