台湾に7年住んでいたことがあって、今でも年に数回(もっと通いたい)通う私。
台湾に行ったら「これは絶対食べたいな」と思うグルメがやっぱりあります。
「火鍋」(ひなべ・ふぉーぐぉー)もその一つ。
ちなみに日本では火鍋=辛い鍋ですが、中国語的には「鍋料理」です。辛いとは限らないのでご注意ください。
(こちらは酸っぱい鍋。酸菜白肉火鍋。これもまたおいしいです)
その中でも天香回味は日本人にもとっつきやすい優しい味、かつ本格的なお店です。
スープの味を思い出しただけで台湾に行きたくなるそんな鍋やさん。天香回味。
台湾で鍋を食べたことがない方には特におススメします。
Contents
天香回味はどんなお店?
天香回鍋とは
天香回味というお店の名前。
実は鍋の名前から来ています。
数十種類の植物と香辛料を煮込むことで作られるスパイシーなスープを使うと天香鍋(色付き)。
同じく数十種類の植物を煮込み作られた優しく、でもしっかりとした味のスープを用いると回味鍋(無色)。
2つ合わせて天香回味鍋といい、それがお店の名前になっているそうです。
チンギスハンが考案したと言われるこの鍋の配合を独自のルートで入手し、研究、改良したのがこちらの天香回味とのこと。
モンゴルの味を台湾で!という不思議さを抱えつつ、美味しいので通ってしまうのです。
スープが絶品なんです。表現力がほしい!
旨味が尋常じゃない。そんなことしか言えない自分が悲しくなります。
スープは3種類
お店の名前にもなっている天香と回味の2つの味を同時に楽しめる鴛鴦鍋(ゆえんやんごお/おしどりなべ)形式でいただくのがおすすめです。
それぞれ単品もありますが、値段が変わらないのと、どちらか1つだと飽きが来る可能性が高いので、2色鍋が断然オススメ。
小サイズの鍋+スープだと310元(1,200円くらい)。大サイズだと390元(1,600円)くらいです。
4人までなら小サイズ。5人~なら大サイズがいいかも。
その他に素食、いわゆるニンニク系などの刺激物を避けるベジタリアンの方向けの養生鍋という鍋があります。
このあたりは台湾ならではです。
お店は老舗感ただよいます。
豪華さやスタイリッシュが目立つ最近の火鍋屋さん。
新しいところは本当に内装がオシャレ。
そんななかで、昭和感がちょっと漂う感じなのが天香回味。笑
気取らない感じが良いですね。
日本人の駐在員と、もてなされる出張者らしきグループや台湾リピーターも結構多いのがこの店の特徴。
それだけ日本人受けする味、ということなのだと思います。
...お店の人にお願いしたいのが、日本人同士はできるだけ離して座らせてほしい、ということ。
海外で同国の人が近くだと何だかお互いに気まずいのよ~。
実食・天香回味鍋
こちらの鍋やさん。
注文票に正の字形式で数を書いてオーダーする形式。
メニューに日本語もありますが、注文表にはないのでちょっと苦労するかもしれません。
メニューを指さして、お店の人に指差しで書いてもらうのも一つの手ですね。
薬膳だけど、親しみやすい優しい深いスープの味。ぜひ楽しみください。
私たちが頼んだのは下記の具材でした。
ネギ・ニラ(130元・110元)
薬膳的なこのお店のスープによく合います。
豆皮(100元)
台湾風の湯葉と表現すべきでしょうか。
これがまたスープで煮込むと味を吸っておいしいのです。
肉よりこっちの方がおいしい、とひそかに思っています。
何だっけ?笑
たぶんキャベツか白菜。白菜だった気がします。(130元)
キノコ類 ヒラタケとエリンギ(110元と120元)
こうしてみると味が染みる系のモノが多いですね。
無意識に、スープのおいしさを味わえるものを選んでしまうだろうな。
水連根(130元)
しゃきしゃきの触感がおいしい、台湾のお鍋の定番。
高雄の美濃というところの客家料理の炒め物によく使われるそうです。
このお野菜、日本では見たことないかも。
日本語名知ってる方いますかー?
蒙古包(もんぐーばお)(190元)
いわゆる練り物。
中にしいたけとお豆腐と多分お肉も入っていて?食感が楽しい甘めの練り物。
スープを吸っていいお味になります。
信じられない熱さになるのでやけどに注意。
鴨血(やーしゅぇ)(190元)
鴨と書きますが中国語的にはアヒルらしいです。つまりアヒルの血を固めたものです。
聞いただけで引く方が多いと予想されます。
お店のおばちゃんが鴨血を運んできた時に
「え?テーブル間違っちゃった?」
と言って注文確認してましたから頼む日本人は少ないのかも。
プルプルした食感と噛み切るときの絶妙な弾力が癖になります。
血なので十分に火を通さないと生臭く感じます。
辛い方のスープに最初に入れて十分に火を通してからどうぞ。
(これがいいと思えるようになったらあなたは台湾に染まっています。)
鮮切活菌猪(なんだか健康そうな豚肉です)(1皿300元)
2皿頼んだかな。
あとこっそり写っている、白い物体はイカのすり身(生つみれ)。確か270元です。
ちなみに天香回味では①肉を最初に入れて食べ終わってから、②野菜などを食べていくことをおすすめされます。
でも日本人的には余りなじまない。
ので聞かなかったことにして自分たちのやりたいようにしています。
鴨血は断然、天香(辛いほう)の鍋に入れるのがいいですが、あとはお好みでOKかと。
わたしたちは最後に「米作麵」という米で作った麺?120元✕2皿くらい(ビーフンとは違います)をシメにして終了します。
写真は撮り忘れ。
お腹いっぱいの手前くらいで、いい感じに終了いたしました!
マイナスポイントもあげるなら
大好きなお店ですが、ちょっとだけマイナスポイントもあります。
1)安くて美味しいが多い台湾でそれなりのお値段。
私たちが今回使ったのは3100元くらい。日本円で11,600円くらい。
女性3人での価格です。男性で肉好きだと一人1,500元くらいは見てたほうがいいかも。
値段を見ていただく中でお気づきの方も多いと思いますが肉一皿300元ですからね。
きのこもあの量で130元。
まちなかでローカルご飯を食べれば100元でお腹いっぱいも夢じゃないのに!
某ショップのコーヒーと「きのこ」が同じくらいの値段って・・・
実際に価格が高かったという台湾人のコメントもちらほら。
でも日本の天香回鍋よりはおそらく安いんですけどね。
個人的には高くても行く価値がある味だと思います。
2)匂いが染み付く。焼肉の比ではない気がする
お店の外にはいつもカレーを思わせる香辛料のいい香りがただよっています。
そう、このお鍋、香りが強いんです。
体中から鍋の香りがします。次の日カバンを開けたら鍋の香りがしたというひともいました。笑
コートなどはできるだけ袋に入れるなどして隠しましょう。
3)浮いてるものを食べないようにしてください
いや、口に含んで問題あるとかじゃないですよ。大丈夫です。
大丈夫ですけど…漢方的なものなので木の枝的なものとか入ってます。
噛むと硬いです。
あとたまに香辛料の味が口いっぱいに広がります。
まとめ
安い、うまいが注目されがちな台湾グルメの中では、まあまあな値段の天香回鍋。
でもやっぱりお手頃価格の鍋やと比べてスープの深みと優しさ、複雑さがぜんぜん違うと思います。
台湾で働いていた頃は月イチくらいで通っていた場所。
やっぱり美味しかったです。
とはいえ出張ばかりで無老鍋や老四川、鼎王などの鍋屋に実はまだいったことがありません。
台湾の鍋情報をアップデートできていない!
一緒に天香回味に行った友人いわく「どこも特徴があってそれぞれおいしい」らしいので次回訪台時に行けたらいいな~ともくろんでいます。
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天香回味(てんしゃんふいうぇい)本店
電話:(02)2511-7275
住所: 台北市中山區南京東路一段16號2F(MRT中山駅から徒歩5分)
オークラの向かい
営業時間:11:30-23:30
旧暦の大晦日から1月2日までは休業
日本語は基本あまり通じない
VISA、Master、JCBは使える模様